2017年12月30日土曜日

鹿王院の家 

京都で注文住宅・木造住宅・木造建築・町家・数寄屋建築等の新築・リフォーム・古民家改修を行う工務店 一級建築士事務所


鹿王院の家 開口部


障子の召し合わせが教会のような感じですね


小堀遠州 孤篷庵忘筌風

大徳寺塔頭 孤篷庵忘筌 1608


市松


雪見障子

モンドリアン風


 モンドリアン コンポジション 1936







2017年12月26日火曜日

鹿王院の家

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美装工事
お馴染み 自称究極のフリーター 佐野美装さんによる美装工事を行ってます。






養生をとって家の姿があらわれてきてます






やはり開口部 まだ数日で4枚障子により進化します
この開口部は障子による光の調整で和製バラガン窓とお施主さんと呼び合ってます

メキシコ人建築家 ルイス・バラガンによる窓






寺井左官の熟練工によるジョリパッド仕上げ いい表情が出てます
左官の鏝痕がわざとらしくならないようにそれでいてあまりツルツルにならないように
というオーダーを、職人さんによく意図を読み取って頂きました。




2017年12月4日月曜日

鹿王院の家

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エントランスを飾る木童の南波カラ松 綺麗な板目で杉板型枠仕上げの基礎と合ってますね



大工さんがコーナーを綺麗にまわってくれました。




SOL物件に度々登場するなぐり仕上げ、京北は原田銘木店の親子の作




クロスが貼れた現場でお施主さんによる塗装工事が行われています。
ポーターズペイント 刷毛塗り仕上げ


養生から施工まで、スピード、凄いの一言です。
このポーターズペイントはインテリア末永さんで仕入れることができるんです。
刷毛もレンタルができて意外と普通に塗れるとのことで、実は私もお施主さんとワークショップに参加して体験させてもらいました。
吹き付け塗装とはまた違った表情がありいいです。









2017年11月28日火曜日

破壊して蘇生する

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解体すればするほど直したくなる箇所が出てきてます。
土壁をばらすという判断をすると、土壁がばれた後の柱の蟻の害などが出てきて
柱を付け替えるという方向になるんですね


思ったより劣化があったのでジャッキが足りず、新調のジャッキが活躍してます。
ルーキーも加わり、ジャッキのオールスター戦となっております。

着工して2か月ほど経ちますが、建築というより破壊という方向に進んでます。
何か月もかかって、丁寧に原形をどどめないほど破壊します。
スケルトンリノベの面白さはここです。
何か月もかかって垂直と水平を直しながら丁寧に壊していくんですね。
上記の床柱は、土台から上に3尺1寸6分にプロットした基準のラインから構造が
3厘から5厘(1mmから1.5mm程度)下がっているという意味で、レーザーレベルの技術のおかげでバッチリ合わせていくことができます。


まず屋根をおろして重さを取り除いて、荷重がとれたところで仮の筋交で補強しながら壁を壊す、壁をこわしたら建物をジャッキアップして、基礎を壊す。
そこでようやく足元の土台を壊して、ようやく足元から新設していくという工程です。



結局どこを残したんですか?と聞かれそうですが、実際のスケルトンリノベの仕事は古材を生かすというイメージよりも、もともとあった像を再現する感じです。 










2017年11月27日月曜日

鹿王院の家

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京北の職人による檜のなぐり

現場で並べて目が揃わないように構成を考えている風景






貼りだしてます
大型嵌め殺し窓の下に密かに片引きの勝手口サッシが仕込まれています。
通風と、裏庭へ通じるくぐり扉です。
鳥居本の家を内覧されたお施主さんが、鳥居本のくぐり扉の構成が、自邸にも応用できないかという着想から実現した構成です。
仕上がると、忍者屋敷では無いですがどこから開くかわからない感じになります。



    なぐりは光によって照らし出されるので逆光ではわかりにくいですね。




このスリットから4分割の障子が出てきます。


2017年11月23日木曜日

洋館風スケルトンリノベ

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年始から始めるスケルトンリノベの打ち合わせを行っております。

これはエントランスに貼るモルタルを基材としたタイルです。
市松に貼ってインパクトのあるエントランスを演出する予定です。
お施主さんが遠方まで探して来られた品です。


改修前の現場
           これから古い洋館っぽくリノベしていきます。

2017年11月13日月曜日

メンテナンス

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建具が落ち着くまで1年ほどかかります。
木製建具は湿気や気温により、固かったり、動きすぎたりと
既製品の内装建具、アルミサッシを使えばほぼノーメンテです。
1枚の建具の建てつけで走っていたのでは、棟数を捌く工務店やハウスメーカーの場合はやっていけませんので、クレームやメンテのかからない方向に住宅シーンは進化してますし、棟数が増えれば必ずそうなるはずです。
竣工させた棟数に応じてメンテも増えるので必然です。
大手が、建築に興味が無いのではなく、自然現象と言えます。
逆に小さい工務店が大手が物理的に手を出せない無垢材や手仕事に向かっていくのも自然です。大量供給と手仕事の良さが両立する日が来れば、大手の独壇場となるかも知れません。
一つ一つの建築に設計者が係る意味も無くなる革命が技術革新でできるかも知れませんね。

造作建具が高い理由は作る手間もありますが、建具屋がメンテで走るコストも入るからです。
高いし、クレームやメンテもかかるしとなると、何で使うんですかという事になりますが、単純にそれを補って余りある良さがあると思うからという単純な事しか言えません。


画家によるファームアニマル・畜産動物の鳥獣戯画を装った建具群など











大ガラスの木製嵌め殺し建具(建具という次元を超えてる感じは否めませんが・・)





2017年11月11日土曜日

八角梁のリノベーション

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スケルトン改修竣工です

八角梁6mで間取りを抜本的に変えてLDKを広くとりました。








2017年11月10日金曜日

竣工写真

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岡田大次郎さんに撮影してもらいました

卍組トラスの家






2017年11月9日木曜日

スケルトン改修 現れた躯体

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内部解体工事が進んでおります。
80年、封印されていたごろんぼが「あらわし」になりました。        

どうでも良いですが、建築をやっている人により「あらわし」の表記が違います。
現し
表わし
顕わし
露し

こういう伝統木造の場合はもともとあったものが見えてくるので、出現という感じで
「現し」のイメージです。漢字によりイメージは変わりますね。

            屋根の荷重を支える太鼓梁(ゴロンボ)

カウント(耐力があると見做す)される準耐力壁も梁まで到達していないので、数値上は0カウントになりますが、実際は台風や地震にも耐えてきたので効いているのでしょう。


梁の上に屋根荷重のかかっている管柱が載っていてその下に斜めの火打ち梁がごっつい丸太でかかってます。
あまり遭遇したことのない組み方ですが、木造はえてしてこんな感じの曖昧系の構造です。
構造解析してみてもRC(鉄筋コンクリート)や鉄骨造のように、柱と梁などの接合部が評価しにくく、結局いまひとつ判らないので、なんだかんだ言って壁の量で評価するのが最も適切とされます。梁まで到達していない準耐力壁も、数値には出ないけれども実際は効いていると思います。




限界耐力計算でというと何やら難しそうですが、建物の重量を拾い出して、
重量に力が作用するとして、それに見合った壁をバランスよく配置するというシンプルな感じです。

机上の計算よりも、現場でいかに土壁を効かすかが最も重要になります。





















2017年11月8日水曜日

元型

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竣工後にお施主さんのお子さんにもらった絵です。 
家と髭を生やした私を描いてくれた絵です
向かって左が私 こんなにかわいくないのですがありがとうございます


非常に興味深いのは、就学前のお子さんの中に既に無意識でしょうか、家の元型があることです。
四角いビルもあり、いろんな形の建物に囲まれてますが、ちゃんととんがり屋根の勾配がついてます。


まるでイタリアのアルベロベッロのトゥルッリのようです。


アルベロベッロのトゥルッリ


開口部とエントランスがちゃんとついていて内部に居室があることがわかりますし、太陽と雲と隣家があるのでほぼ建物を囲む外部要素も揃ってます。


雨をしのぐ勾配、太陽と取り入れる開口部、エントランスのある遮断された内部、家族の単位、隣家、隣家との距離、人

意識して描いた描かないにかかわらず非常に興味深いと思います。



上記の絵の習作でしょうか、単純化された家の元型です。
家も動き出しそうに生き物っぽく描かれ、子供の絵は面白いです。