2015年5月23日土曜日

穴太衆との出会い

主に京都で木造住宅・木造建築・店舗建築等の設計施工を行う建築設計事務所である弊社


滋賀坂本の日吉山王祭ににて、石積の芸術 穴太衆の粟田氏と親交を結ぶ貴重な機会を得て話をたくさん頂きました。
最近では彦根城の石積や京都国立博物館新館の石積みなどがあげられます。
野面積みと言われる技法で、自然石をそのままに、適材適所に積んでいく技法です。
個性のある様々な形状の石を美しく、力学的にも強く積んでいくのは職人を育てる事や経営にも通じるとのお話をされておられました。
粟田氏の技術に魅せられた土木技術者ら専門家の方も集まっておられ、如何に穴太積が力学的にも優れているかという点を強調されていました。
整形された切石積みも見事ですが、自然石そのままで統一していくのはすごい技術だなと思います。
粟田氏のお話では、ちゃんとした職人になるには最低でも10年はかかるとの事で、石の声が聴こえてくるころに一人前の石積職人になるらしいです。
そういった神業的な技術を存続させていくにも一般の住宅建築においても穴太積を持ち込めないかというお話をされておられ、SOLでも石を使いたいと思っていた時期にこのような縁があるのはほんとに不思議だなと思います。

古来から石は神様が宿るなどと信仰の対象とされますが、穴太の衆には石がどこに行きたいかが聴こえてくるそうです。山王祭の幽玄な雰囲気の中、大玄関で甲冑に出迎えられての穴太衆の親方との対話は京都から少しの場所ですが異世界に来た感じでした。


滋賀坂本の日吉山王祭


京都国立博物館の力強く美しい穴太積み