2020年3月30日月曜日

令和 格子耐力壁のリノベーション

京都で注文住宅・木造住宅・木造建築・町家・数寄屋建築等の新築・リノベーション・古民家改修を行う工務店 一級建築士事務所


現場はピッチを上げて進めます。

今回のリノベは、大小の単位のグリッド(基準となる単位・線)を効かせて、全体としてグリッドの集合で統一した状態にもっていければという感じです
ケルト格子みたいにどこまでもつながっていくイメージです。

左京のリノベーション 唐紙 ケルト格子



水平方向は相生杉の連続梁グリッド 
垂直方向は格子耐力壁や障子の格子のグリッド
本棚と階段でグリッドを1階から2階の縦方向に連続させようという目論見です。

平面から層をつなぐ階段は、建築では一つの見せ場になる事が多く、今回の
ようなリビング階段の場合はそれなりに気合いを入れます。

今回の階段の素材; 鉄

現場に集合した3人の男衆
3人がかりで鉄の階段をおさめていきます。


鉄に魅せられた男 KAIさん 


畑の真ん中の小さな工場で一人、鉄と向き合って45年


鉄と言えば、鉄馬 ここでご期待?にお応えしてKAIさんの愛車を紹介 


やはりチョッパー

 
何故かSOLに関わってもらっている職人さんにバイク乗りが多い
しかも各所にオリジナルの鉄パーツの唯一無二のヤマハ250㏄  
迫力がニーハンに見えません

チョッパー;ベース車両がハーレーであろうが国産車であろうが、余分なパーツを極力削ぎ落とすという方法で機能美の美学を追求  
ここはどことなくSOLの手法に近いのでしょうか

ハンドル、ソロシート、マフラーといったシンプルなパーツを剥き出して極限に低いフォルムで乗り心地を凄まじく犠牲にしながら得たカタチです。やはりカッコイイ
そこは住み心地を犠牲にはできませんので前言撤回!

KAIさん、日本刀のコレクターでもあります、話がどんどん建築から離れていって止まらないので今回はこのへんで だけど本当に鉄が好きなんですね






2020年3月13日金曜日

令和 格子耐力壁のリノベーション

京都で注文住宅・木造住宅・木造建築・町家・数寄屋建築等の新築・リノベーション・古民家改修を行う工務店 一級建築士事務所



今回はラーメンと材木商の聖地 


天理 



お施主さんファミリーとは遠方ながら現地集合

今回の目的は無論ラーメンではなく、欅のテーブル材の一点買いです。
サイズが80センチ×4メートルで厚み7センチの一枚板を探し求めて天理まで来ました

欅は比重が0.7もある広葉樹で針葉樹の杉の比重0.38と較べると倍近くの重量となるんで
そのサイズだと200K近くあります。
そこでやはり百聞は一見に如かずで現地調達となりました。


こういったコアな材木の仕入れにはコアな水先案内人(材木商)が必要です


目利きは一流、クロムハーツを愛するハーレー乗り 松ちゃん から材料を仕入れます。


工場はこんな感じです。

じっと出番を待つ 材木群です


材木群をかき分けて


かき分けて





姿をあらわしました

欅の一枚板です。よく乾燥した立派な欅です。



写りこんだのは
松ちゃんネットワークのアツシさん



元末でサイズがことなるので
テーブルの方向を検討
 「元」木の根っこに近い部分 
「末」空に近い部分




近くにあったクルミの一枚板です



インパクトのあるワイルドな表情に目移りしかけましたが、 今回はトータルバランスを考慮しやはり欅一択と相成りました。

買い付けが終わって、子供たちは岩のような欅の上で大はしゃぎ

お施主さんが日頃、木材の赤み材などのお話をお子さんにされているのでしょうか。 
お子さんからの「赤みは?赤いやつどこ?」のコアな質問には未来を感じた一日 

是好日











2020年3月6日金曜日

令和 格子耐力壁のリノベーション

京都で注文住宅・木造住宅・木造建築・町家・数寄屋建築等の新築・リノベーション・古民家改修を行う工務店 一級建築士事務所


粛々と進められております現場



格子耐力壁の刻みに入らんとしております

まずは厳選材の紹介から

徳島で育った杉です 
低温乾燥材(ほぼ天然乾燥)なので朱色が非常に綺麗です。
柾目の赤身勝ち 芯去り(心材を外した部分のみ)




既製品はほぼ使わないので木材の仕入れは昭和の感じです。
グレーディング(等級)や乾燥状態など、数字にできる明確な基準が無いので
信頼のみの商取引の世界に入ります 

SOL「まいどです、キレイ目で赤いやつ、入れて下さい いつもの感じで」

産地「あいよ!旦那 ちょっとヒマかかりますけんど、いいやつ揃えまっせ」

みたいな感じのノリで待つことゆうに二か月  

なかなかの納期ですが待った甲斐があります






格子耐力壁の刻みです。




真打ち 濱翁 登場
極める部分の刻みの担当はやはり親方 


80歳でこのパフォーマンスを出せるなら、未だ10年は現役でいてくれそうです。
一番弟子のツネさんが「親方やっぱ上手いなあ」と感嘆! 美しい師弟関係です



格子耐力壁はさりげなく見えますが、手間の非常にかかる耐力壁です。
クロスする部分の接点がたくさんあるので、それをびっちり付けるのが非常に大変です。

まずは大工さんが加工場で精度高く刻んできて、パーツごとの住所番号を振る(これが重要)それを現場で一つ一つ組み立てるんです。
せっかく精度高く刻んだパーツの住所がわからなくなるとこれは大変です。





歌舞伎・和紙手漉き技術とならびユネスコの無形文化遺産に伝統建築工匠の技術が提案中らしいです。
長年の経験(無形)の技術が手に入っていて、それが住宅に入魂される感じです