2018年8月22日水曜日

低温乾燥材を求めて

京都で注文住宅・木造住宅・木造建築・町家・数寄屋建築等の新築・リフォーム・古民家改修を行う工務店 一級建築士事務所


藤原京造営のためにおかれた田上杣、東大寺造営用におかれた伊賀の板蠅杣など滋賀県には古くから良材の代表的な杣(古代から中世にかけて大規模な伐採地のこと)があったとのことです。
縁あり伊賀杣の産地の低温乾燥材をSOLの新築で用いることができ、その製材所見学の模様です。




滋賀中央森林組合


天然乾燥をしながら出荷を待つ杉の梁材






この製材所では当然ながら一般に使われる高温乾燥材も納期の要求から在庫されておりました。
高温乾燥材は120℃で一気に高温で乾かすので内部割れが起こります。
ヘミセルロースが分解され材色変化や耐蟻性、含水率の低下などのいわゆる乾燥材問題が起こります。
伊賀杣に限らず徳島の中千木材さんでも耐蟻性の実験が行われており、耐蟻性の低下と高温乾燥の因果関係が問題視されております。




高温乾燥材の内部割れ

材色変化は顕著です。サンプルで頂いた材の比較です。
左が低温乾燥材 右が高温乾燥材 

源平;赤身(芯材)と白太(辺材)が見た目に分かれた低温乾燥材の自然な材色と比較し高温乾燥材は源平が目立たず、全体に焦げた感じの色になります。実際に匂いも焦げた匂いがします。

源平は新築直後はピンクと白で色がバラバラで少し野暮ったいと思われるケースもありますが、経年で落ち着いた色になります。


徳島杉に伊賀杣の杉も加わり、地産地消の観点からも、製材所見学の上でも近県の滋賀で良材が揃うのは有難いです。













2018年8月6日月曜日

地鎮祭

京都で注文住宅・木造住宅・木造建築・町家・数寄屋建築等の新築・リフォーム・古民家改修を行う工務店 一級建築士事務所


快晴の中、地鎮祭が執り行われました。






日当たりの良い敷地です。






猛暑・底冷え・大雨・台風・地震
とりわけアフターを見ていく設計施工の設計事務所としては設計の考え方を揺るがす現象が度々起こってきてます。
神主さんから縄文時代から人々は自然への畏怖を持って生きてきたという話があり、
畏れ多いという言葉は単に恐怖という意味ではなく、畏敬であり畏れおおい自然との共生であるという事を言っておられました。
自然との共生という概念はなんとなく聞きなれてしまった感がありますが、自然の猛威に直面して、実感として耐震の事、断熱材の事、建物を美しくする事、意匠とメンテの両立をすり合わせながら、作っていきたいと考えます。