2018年10月29日月曜日

壁と透湿

京都で注文住宅・木造住宅・木造建築・町家・数寄屋建築等の新築・リフォーム・古民家改修を行う工務店 一級建築士事務所


解体工事の足場養生です。




大きな古家を解体して、新築工事を行っていきます。



旧市街地美観地区に建つ勾配屋根を生かした住宅となります。

高断熱を羊毛断熱材やネオマフォームで確保して高気密でなく適切な気密の透湿する家をコンセプトとして作ります。

低温乾燥構造材の骨組をあらわした明快な空間構成の中、活動の用途に合わせて明るい部屋と暗い部屋を作ります。


















2018年8月22日水曜日

低温乾燥材を求めて

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藤原京造営のためにおかれた田上杣、東大寺造営用におかれた伊賀の板蠅杣など滋賀県には古くから良材の代表的な杣(古代から中世にかけて大規模な伐採地のこと)があったとのことです。
縁あり伊賀杣の産地の低温乾燥材をSOLの新築で用いることができ、その製材所見学の模様です。




滋賀中央森林組合


天然乾燥をしながら出荷を待つ杉の梁材






この製材所では当然ながら一般に使われる高温乾燥材も納期の要求から在庫されておりました。
高温乾燥材は120℃で一気に高温で乾かすので内部割れが起こります。
ヘミセルロースが分解され材色変化や耐蟻性、含水率の低下などのいわゆる乾燥材問題が起こります。
伊賀杣に限らず徳島の中千木材さんでも耐蟻性の実験が行われており、耐蟻性の低下と高温乾燥の因果関係が問題視されております。




高温乾燥材の内部割れ

材色変化は顕著です。サンプルで頂いた材の比較です。
左が低温乾燥材 右が高温乾燥材 

源平;赤身(芯材)と白太(辺材)が見た目に分かれた低温乾燥材の自然な材色と比較し高温乾燥材は源平が目立たず、全体に焦げた感じの色になります。実際に匂いも焦げた匂いがします。

源平は新築直後はピンクと白で色がバラバラで少し野暮ったいと思われるケースもありますが、経年で落ち着いた色になります。


徳島杉に伊賀杣の杉も加わり、地産地消の観点からも、製材所見学の上でも近県の滋賀で良材が揃うのは有難いです。













2018年8月6日月曜日

地鎮祭

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快晴の中、地鎮祭が執り行われました。






日当たりの良い敷地です。






猛暑・底冷え・大雨・台風・地震
とりわけアフターを見ていく設計施工の設計事務所としては設計の考え方を揺るがす現象が度々起こってきてます。
神主さんから縄文時代から人々は自然への畏怖を持って生きてきたという話があり、
畏れ多いという言葉は単に恐怖という意味ではなく、畏敬であり畏れおおい自然との共生であるという事を言っておられました。
自然との共生という概念はなんとなく聞きなれてしまった感がありますが、自然の猛威に直面して、実感として耐震の事、断熱材の事、建物を美しくする事、意匠とメンテの両立をすり合わせながら、作っていきたいと考えます。


















2018年7月2日月曜日

和のスケルトン改修

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竣工写真   建築写真家 岡田大次郎作

いぶし銀瓦と漆喰と焼杉の外観に素地の格子耐力壁がアクセントになってますね。



格子耐力壁;
単純な構成でいて終局破壊までの吸収エネルギーが大きい伝統工法ほぼ最強の耐力壁
徳島杉の無節 柾目 低温乾燥(ドライングセットのみのほぼ天然乾燥AD材Air Dry)
視線が抜けながら地震に抵抗します。




一階には二階の直下に格子耐力壁が構えております。 頼もしい。


ダブルスキン(外界と内部に被膜が二層あること)は外との距離感が面白いです。

躯体のみのマッチョな空間




ここから本気の建具群が搬入されて彩を加えていきます。乞うご期待


































未だ建具がこれから入ります。

2018年6月18日月曜日

スケルトン改修 硝子工事

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欄間を嵌め殺しのペアガラスで構成しました。


シーリング(防水工事)を自ら行うガラス屋の社長


外観の格子耐力壁
非常に大工手間がかかりましたが、綺麗にできあがりました



キッチンの上に落とす太陽光の為の仕掛け


歩行のできる強化ガラス ノンスリップ仕上げ
お施主さんが持っておられた吹抜けのイメージから最終、ライトウェル(光の井戸)というかたちで空と一階のダイニングに開通した太陽光の通り道です。
これもぶっとい指で硝子屋の社長直々におさめてくれました。
こういう職人気質の硝子屋さんがいてくれることは有難いです。











2018年6月8日金曜日

スケルトン改修

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格子耐力壁は構造上重要な役割を果たすので躯体(骨組み)の中心に入ります。
そのために、建具は躯体の中心を走らず、アウトセット(芯ずれ)のおさまりとなります。

こんな感じです。
格子耐力壁ひとつを取っても格子耐力壁を入れることで、新設する布基礎、檜の4寸土台の新設、アウトセットの鴨居敷居納まり、既設敷居を無目(溝無しの造作材)に変更する。
など附帯する工事が格段に増加します。
それを最終は何気なくおさまっているように見せるのが目指すところです。
二階の座敷も格子耐力壁が竣工間近です。







2018年6月6日水曜日

スケルトン改修

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塗装の仕上げ材の検討、
お施主さんお手製の塗り見本です。



調合の表です。こうするとわかりやすいですね。恐れ入ります。


さらにお手製の模型です。 凄い


格子耐力壁まで作られてます。 スケールは1/50

これが原寸 1/1  芯去り柾目の徳島杉

玄関建具も精緻に作られております。










2018年5月28日月曜日

仕上げ工程

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カルクウォール(スイス漆喰)で洋室は仕上げます。
純和風住宅にはりつく応接間は洋間です。


シーラーで下地をして1日置いてから下塗りに入ってます。


こんなバケツで購入します。



二階ザシキでは日本漆喰に藍色の色粉を入れた壁を塗ってます。






床の間廻りは藍色


違い棚上の吊り戸収納には唐紙を唐紙職人が現在制作中です。
金色の燕が飛んでいる唐紙の建具が嵌ります。






2018年5月25日金曜日

スケルトン改修

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仕上げ工程に入っております。
土壁左官仕上げを荒壁パネルの耐力壁の上に塗っていきます。

洗い専門の職人による古色塗り 古い部分の補修に使います。
レシピは柿渋、松煤、亜麻仁油




格子耐力壁の施工が始まっています。




二階座敷は漆喰です。 
壁・天井も仕上がってきました。
床の間には青の色粉を入れた漆喰を塗ります。


鏝で仕上げた漆喰の白、光の反射は独特です。
見事な熟練左官職人の技です。





2018年4月22日日曜日

和のスケルトン改修

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明日から施工のスケルトン改修の現場
和風の邸宅を屋根構面・水平構面を固めて耐震リノベと断熱リノベを行います。

2階の和室 明るい部屋です。居室は左官壁で仕上げます。
柱・壁を抜いて大きなリビングをとる計画です。
エントランスに趣があります