2017年7月13日木曜日

古民家改修 構造検討

京都で注文住宅・木造住宅・木造建築・町家・数寄屋建築等の新築・リフォーム・古民家改修を行う工務店 一級建築士事務所


古民家を旧来の姿をそのままに耐震性の向上を図りながら改修できないかというご計画の中、
床下の点検を行いました。
束石に石端建てで納まっている部分と


基礎(おそらく無筋コンクリート)の部分が見受けられます。

基礎の確認と腐朽や蟻害などの生物劣化の程度を確認していきます。
実際の施工の段階では、白蟻(termite)のT1からT3という蟻害の程度に応じて
部材に記していき、改修を行います。蟻道を調べて白蟻がライブ(今もいる)かどうかも
調べます。 

腐朽(deterioration)のD1からD3で普及の程度も記しておきます。
こうしておくと改修の際に施工の計画が立てやすいです。


構造計画としては土壁の壁量を単純化した模型などで検討を進めます。
土壁が実際に効いているか否かは別としてまずは手がかりから始めます。
そこから実際の施工の段階で土壁とそれを囲う梁と柱の接合部を評価して
補強を行います。
とりわけ伝統工法の場合は重要な地業(基礎等の地盤と建物が載る足元)をまず
評価して、必要に応じて耐力壁の部分に基礎を新設し、地震力への抵抗の計画を
つくっていきます。
限界耐力計算等の手法で倒壊しない限界耐力をを目指して、壁量を増やし、既存の土壁を
耐力を発揮できる状態に補強するというルートです。



庭へ向かって開放性の高いPLANなので、格子耐力壁や貫といった伝統工法の抵抗要素で
構成することで視線が抜けつつ、耐震性を飛躍的に向上させることを狙います。



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