2017年2月23日木曜日

スケルトンリノベ

京都で木造住宅・木造建築・町家・店舗建築等の設計施工を行う建築設計事務所



京都市内においてSOLの得意とするスケルトンリノベを行います。
外壁・屋根共にほぼ全バラシで、強く美しく生まれ変わるように力を入れます。
解体後に構造設計を行い、場合によっては構造変更による多少のPLANの修正を伴います。
屋根構面を構造用合板で固め、1階水平構面も固めます
リノベなので、すべての主要構造部の交換はNGとなりますのでそこを残しつつ新築に勝るほどの強度を確保することが腕の見せ所です。



水平構面のイメージです。簡単にいうと床の構造強度のことです。
地震力をちゃんと筋交い等の耐力壁に伝えるための大事な床の事です。
これが弱いと筋交いがあっても床が平行四辺形になり、ちゃんと筋交いに耐力を伝えられません。


2017年2月15日水曜日

開口部考察

京都で木造住宅・木造建築・町家・店舗建築等の設計施工を行う建築設計事務所

2階の地窓 

とりわけ絞られた2階の地窓の光は、建築物が立ち上がり、いきなり建築物に光束の方向を変えられた天空光が軒先の裏側からなんとしてでも建築物の中に入り込んでくる感じです。トップライトの光とも違います。


1階の地窓とは違い光量が多く、深い軒先と合わせると軒先の反射を受けながらいい感じに光が掴まえられる事が経験的にわかってきました。
明るさが要求される場合や換気の要求等、空間により使い分けが必要ですが、他の開口部を省いて一つに絞ると光は自分だけが頼りなので頑張ってくれてるのか綺麗に入ってきます。
光を絞りたい空間では他の壁に換気窓のみを配したりの工夫があり得ます。











2017年2月12日日曜日

足場ばらし

京都で木造住宅・木造建築・町家・店舗建築等の設計施工を行う建築設計事務所

骨のあった現場の足場をばらしました。
第一種風致地区、宝蔵物埋蔵地指定であった為、東京の文化庁にまで確認申請をあげる必要がありました。
基本は瓦屋根か銅板屋根のみ、屋根勾配も限定され外壁の色は土壁色のみという制約の中で、
作られました。



内部から外部を臨む開口部
隠し框で建具の存在を消してます。




三和土をめぐる伝統工法のあれこれ

京都で木造住宅・木造建築・町家・店舗建築等の設計施工を行う建築設計事務所


三和土(たたき)仕上げの玄関
文字通りただ土をたたいて仕上げる工法
50年の左官職人の中で6度目だと熟練の職方に伝えられました。
歩く場所が徐々に凹み、生活の痕が表面に現れる工法です。
無垢材を使ったり、左官壁を塗ったり、三和土にしたり、昔の建て方に徐々に接近しつつありますが、昔が手放しに良いと思っているわけではありません。
単純に味があるからという理由です。味とは偶然にある木の節とか、左官の塗り斑でしょうか。かと言って一品製作であるべきだと思っているわけでもありません。
昔に戻ろうとすると、手間がかかり過ぎて、工期もコストも危うくなります。
手間のかけた仕事はメンテも手間がかかります。
そこにきて大量生産で良質な住宅を提供するメーカーは当然ながらそのような職人の腕とかむらとか偶然のものに構っていたら、無理なので参入しません。メーカーなら技術的にはいつでも参入できると思います。

下の写真は三和土の土間を作る工程です。
わずか3㎡程度の土間に職人さんが4人で3日かかります。12人工ですね。
材料費と手間は推して知るべしです。
効率は激しく悪いです。だから50年で6回目なんですね




古い建築が美しく見えるのは何故でしょうか。
昔に建った新築は美しかったのでしょうか。
篠原一男の論を読み返しますと、桂離宮にしても白い障子が黒ずんだ梁と柱で区画されてこそ、幾何学模様になり、当初は白木に白い障子であったわけで、意図された構成ではなかったということです。なるほど白木にとりつけられた金の手がけなどは、貴族趣味が勝って、今の桂離宮とはかけ離れた感じであっただろうと思われます。
金閣の金箔も黒ずんだ金箔は金閣の目的ではなく、金箔の輝き以外に目的はなかったと想像され、汚れたり黒ずんだ金閣は金閣ではないということです。
しかし新しく建てられた白木のお寺は古寺の凄みや美しさとは縁がないようにさえ見えます。



桂離宮の幾何学的な立面



2017年2月10日金曜日

玄関廻り

京都で木造住宅・木造建築・町家・店舗建築等の設計施工を行う建築設計事務所

玄関廻りが完成したら物件はほぼ仕上がりです。
SOLではほとんどの物件で既製品の玄関を使わないので、玄関が最後に付くという工程に
なり、一般住宅の建て方とかなり異なります。
当物件ではなぐり加工の檜板の玄関戸になります。
なぐり加工とはちょうなと呼ばれるのみで木材の表面加工をすることです。こんな感じで
京北町の職人さんが今削ってくれてます。規則的にちょうなをおろすには熟練が要ります。
なぐりのできる職人さんはほとんどいません。
大抵のなぐり加工は電動のみで削っているので均質に見えて手加工と較べると味が少し足りません。

この玄関に嵌ります。



石を使う

京都で木造住宅・木造建築・町家・店舗建築等の設計施工を行う建築設計事務所

石を物色  木材の無垢と同じくして石を使っていきたいとも思います。
数寄屋建築等の伝統和風は節を嫌い、無節や上小節と呼ばれる優等生を使い非常に美しいのですが、構造材の節のある粗けな一等材の木材も又、力強いです。
石にもそのような区分があるのでしょうか。石の知識を深めていこうと思います。