構造改修も終盤 荒壁パネルの施工を行っております。
和建築の土壁の壁下地である荒壁は、調温・調湿優れていまが、小舞竹等の手間と長い乾燥期間でコストが問題です。
木舞竹
乾式パネル化した荒壁パネルは、荒壁の優れた土壁の性能を短工期・低コスト(※小舞竹に比べてであって一般的な意味での低コストではありません)の現代版の土壁下地です。地震に抵抗する強さとしては両面張りで2.6倍の倍率があります。
これは従来の貫や小舞竹の1.0倍~1.5倍の壁倍率と比べても相当の強度があります。
メーターモジュール(京間用)で 1900*600*26mmで18.5キロもありますので持つと結構重いです。
この26mmの荒壁パネルを、ステンレスのビスで木の下地に打ち付けていきます。
この下地の木は何でも良いのですが、杉か檜が適していると思います。
WW(ホワイトウッド)などは水にさらされるので経験上使いません。
本件では杉の下地です。
壁が出来てくると建具の枠廻りの大工さんとの意思疎通が必要です。
改修の場合は断面の寸法などが規格と異なる為に、現場で原寸で納まりを描くことが多いです。
木取をして材料を取って現場に入れます。
木取りはこんな感じで材木屋に頼みます。必要な木材によって発注する材木屋は変えます。
部位 材種 厚み 幅 長さ 個数
ドアA鴨居 トガ 40 70 2000 1
無目鴨居 トガ 42 103 1000 1
無目敷居 トガ 45 103 1000 1
方立 トガ 30 70 1900 1
現場に入れてからはどれがどこの枠材かわからなくなるので建具ごとに分けておきます。
こんな感じです
昔の大工棟梁は図面から見積、発注、施工まで全てを担っていましたが、法規や確認申請がややこしかったり、建売住宅などは、大工一人で現場に入る為、ほとんどの大工さんが一人親方です。棟梁が何人かの大工を抱えるというスタイルは数年がかりの現場で一部の数寄屋・宮大工の世界の話で一般住宅ではまず見かけません。建て方の時だけ集まるという感じです。
今は、分業化されていて図面は設計士や工務店、拾いと発注は工務店、大工さんは、現場で材料や釘・ビス等が入ってから仕事に入れるという感じです。
エラーが出やすい仕組みなので、昔の方が効率的ですが現在はこうなってます。
できるだけ分業化を減らす方向で努力したいところです。
拾い出し・発注者と刻む人が違うので、釘やら材料の打ち合わせが重要です。
檜の鴨居と敷居 120*140 上小節 鴨居の加工
0 件のコメント:
コメントを投稿