町家の改修の設計監理を行っております。
モダンな町家をプロデュースされている有限会社AICの村田社長を事業主として大工さんは若き大工の大下さんです。
かづら石の上に美しく配列される母屋まで到達する側柱(町家の外側のはしらをカワハシラと呼びます。)時代の古いものは管柱(1階と2階で分断されているもの)ではなく通し柱になります。
この町家も側柱はすべて中間に梁がなく通し柱で構成されてます。
木材の使い方としては古くからの工法がやはり素晴らしいと思います。
木材の場合、ご存知の通り繊維方向があり、繊維方向(空へのびて重力のかかる方向)の力へは強く
逆に繊維直交方向の力には弱いのです。
なので古い町家では土台のように柱が繊維直交方向に載せる使い方をせず、木が生えているかたちで素直に使っているのがわかります。
ただこの工法だと現代の立て方のスピードであったり固めるという現代の耐震基準の考え方には合致せず、現状では新築でこのかずら石の上に柱が載るだけの圧縮のみに抵抗する石端建て工法というのは現行法規でほぼ不可能となります。
それだけに改修シーンにおいては現行法がかからない為、この先人の知恵を踏襲して施工していけるのは伝統を伝えていく上で貴重だと思います。
根継ぎ
大黒柱の金輪継ぎ
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